黄昏時。。
俺は空が好きだ。
昔から、嫌な事がある度に空を見ていた気がする。
空と云っても、昼どきの快晴の空は好きじゃない。
俺が好きなのは、夕暮れ時の空と、夜の空。
俺は、独りっ子で兄弟は居ない。
育児放棄されて、あちこちの親戚を転々としていた。
学校も変わる。
友達も変わる。
だから、親友と呼べるダチは、ほんの2、3人。
ガキの頃、唯一のダチを亡くした。
彼女も小さい頃、親友を亡くしている。
「ねぇ、りく。もうすぐだね。」
「おぅ。あのバカたれの命日やな。」
「あたしね。 お線香の代わりに、その子が好きだった煙草に火を点けるんだ。 1本だけ火を点けて供養代わりにしてる。」
「りくは?何かしてるの?」
「いや。俺は特別な事はせんよ。」
「ただな。その日の夕暮れ時には、空を見上げる事にしてる。」
「そっか。」
「あのさ~。その日は、電話もLINEも しなくてイイよ。」
「その日ぐらいは、友達と一緒に居てあげて!」
「ホントに良いのか?」
「うん!年に1度くらい、そういう日があってもイイじゃん。」
「でも、その日だけだよ!」
「でね。 いつか、あたしも一緒に供養しても良い?」
「おぅ! あのバカたれは女好きだから、泣いて喜ぶんやないか?(^w^)」
「あはは(^○^)。 だとイイなぁ~。」
「ブスは嫌いだ❗ とか思われたりして。。(^_^;)」
「アホやなぁ~。俺が好きになった子やぞ! ブスな事あるかい!」
「世界中が ブスやと思うても、俺はお前が好きやから。。」
「それで文句ないやろ?」
「うん!ありがと~❗😆💕✨」
「てか、世界中からブスって言われたら、いくら あたしでも凹むし。。」
「俺はブスは嫌いだ❗」
「だから、お前はブスやない❗」
「そういう事や。」
「うん! なんか あたしニヤニヤしてる(^_^;)」
「今夜は ぐっすり眠れそう。。」
「うんうん。 イビキかきながら、ぐっすり寝な❗」
「あたし、イビキなんか かかないもん❗
(#`皿´)」
「なんか、ムカついてきた。」
「もう寝る❗ おやすみっ❗」
「べぇ~だっ❗」
「りくのバカ❗(`ヘ´)」
そう言って、その夜の電話は ガチャ切りされた。