告白。
冬。
クリスマスも近いこの時期、北の大地も すっかり雪化粧していた。
そして、いよいよ彼女が この街にやって来た。
九州の南端から やって来た彼女の第一声は、
「めっちゃ寒い~❗」だった。
早く会いたいという気持ちがそうさせたのだろう。
俺は、飛行機の到着予定時間より、一時間以上も早く着いてしまっていた。
お互いの写メは、LINEを始めた その日に交換済みだったし、彼女の服装もあらかじめ聞いていたから、すぐに分かるはずだった。
「やっほ~❗」
到着ロビーを うろうろしていた時、ふと後ろから声がした。
その声の主は彼女だった。
「りく。どこ見てたのよ~。 あたし、りくの事 すぐに分かったよ~。」
「ん?そか??」
「だって、りくは豹柄 大好きじゃん。」
「それに、豹柄のファーコート着てる人なんて、りくの他に居ないでしょ?(笑)
しかも、ロングだし。。」
「それね~。めっちゃ目立つから。。」
「『龍が如く』のゲームに出てくる人みたい。(笑)」
「あはは(^○^)。そっか~? でもな、こんなんしか持ってないからなぁ~。」
正直、お互いに全然 緊張の欠片も無かった。
まるで、ずっと前から知っていた様な、懐かしささえ覚えた程だった。
「飯でも食いに行くか。」
「ちょっと待って! めっちゃ煙草吸いたい。」
「だってさ~。1本も吸わずに来たんだよ~。」
「なら、煙草でも吸うか。」
その日は、札幌のホテルに宿泊した。
そして次の日、俺らは富良野へと移動し、彼女は俺の部屋に泊まった。
夕食のあと、彼女が おもむろにスーツケースから何かを取り出した。
「はい、これ❗」
「ん? 小包爆弾か?」
「もぉ~。バ~カ❗ こんな近くで開けられたら、あたしも巻き添えになっちゃうでしょ?!」
「誕生日プレゼント❤」
それから、これも❗
「こっちは、クリスマス・プレゼント❤」
「だって、来週は来れないもん。ホントは来たいけど。。。」
「ねぇ、開けてみて❗」
俺は、ひとつずつラッピングを開けていった。
「おぉ~❗ イイね~❗」
「サキ、ありがとな❗」
豹柄の札入れと、豹柄のキー・ケース。
そして、俺と彼女の名前を彫った豹柄のジッポー。
そして、マドレーヌと、パウンドケーキと、クッキー。
それが、彼女からのプレゼントだった。
「おぉ~❗ こりゃあ美味いなぁ~。」
「羽田で買ってきたん?」
「………。」
「それ、全部 あたしが作ったんですが。。。」
「あっ! そか。(^_^;)」
「大変だったんだからね~❗」
「りくに食べてほしくて、めっちゃ頑張ったんだから。。」
「うんうん。ありがとな❗」
「じゃあ、kissして❗」
「はっ?」
「ここでkissして❗」
「ちょっ! いきなりやなぁ~。」
「だって、したいんだもん。」
「誰も見てないんだから、イイじゃん。」
「ん~。まぁ~な。」
「もぉ~❗ じゃあ、あたしからする❗」
彼女は そう言うと、俺に抱きついてきた。
そして、俺らは そのままベッドに潜り込んだ。
相当 疲れていたんだろう。
彼女は、いつの間にか スヤスヤと眠りについていた。
俺は、その寝顔を しばらく眺めていた。
次の朝。
「なぁ、サキ。」
「ん?」
「結婚しよう。」
「うん❗(^w^)」
「あたしも、りくと結婚したい❗」
「でもな、指輪とか なんも用意しとらんぞ。」
「そんなのイイよ。」
「あたし。 りくからの、その言葉だけで充分だもん。」
俺は、彼女の髪を撫でながら、きつく抱きしめた。
ふと見ると、彼女が泣いていた。
「どしたん?」
「腹でも痛いんか?」
「バ~カ❗」
「違うよ~❗」
「なんかさ~。めっちゃ嬉しくて…。」
「今ね、最高に幸せな気持ちなんだもん。」
「そかそか。」
「ねぇ、りく。」
「こんな あたしで良いの?」
「ホントに あたしで良いの?」
「あぁ~。もちろんや。お前以外に誰がおるんや。」
こうして、初めてあった その日に 俺らは 結婚を誓いあった。