ベター・ハーフ
あの日以来、彼女とは毎日LINEをするようになった。
好きな食べ物、車の話、好きな色、ハマってるもの、好みのタイプ、好きな髪型…。
ありきたりな話を毎日の様にしていた。
それでも俺らは楽しかったし、いつの間にか彼女からのLINEを心待にしている自分が居た。
ある日、
「ねぇ、ベター・ハーフって知ってる?」
「ん?ベター・ハーフ? バターか何かの名前? カロリー半分とか??」
「違うよ~。
ベター・ハーフってね、魂が この世に降りてくる時に、男の魂と女の魂とに別れるんだって。元々は一つの魂だから、似てる部分が沢山あるんだ。」
「へぇ~。魂かぁ~。」
「気合いだ!気合いだ!気合いだ~! とは違うのか。」
「それは、アニマル浜口でしょ?(^-^)」
「あたし達ってさ~。すごく似てると思わない?」
たしかに、そう言われると、彼女と俺は似ている部分が沢山あった。
育った環境、趣味・趣向、価値観…。
ただ、それだけなら単なる偶然にすぎないと思われるかもしれない。
俺がビックリしたのは、ほくろの位置だった。
俺の右肩には、同じ大きさのほくろが2つ並んでいる。
それを話したら、
「あたしの左肩にも、同じ大きさのほくろが2つ並んでるよ~。」
「写メ送ろうか?」
そう言って送られてきた画像を見た時、正直 ゾッとした。
画像だから、大きさまでは はっきりとは分からないが、俺の右肩と全く同じ並び方をしていて、位置まで ほとんど一緒だった。
「なぁ、前に いつも怪我するのは左側って言ってたよな。」
「うん!」
「俺な、怪我するのは、いつも右側なんだ。 これって、偶然?」
「ん~。よく分かんないけど、偶然にしては凄すぎない? まるで半分こ したみたいじゃん」
「あたし、今まで色んな人と付き合ってきたけど、こんなに一致する人 居なかったよ~。」
「たしかにな~。単なる偶然にしては、似すぎてるよな。俺ら」
「ねっ!そうでしょ? きっと、あたし達って半分こ なんだよ。」
「きっと、魂が半分こになって、あたし達を北と南に分けたんだよ。」
「てか、あたしは そう思う事にする❗」
「だな。(^w^)」
(ベター・ハーフかぁ~。バターの名前じゃなかったんだな。)
その夜は、ベター・ハーフの事をネットで色々調べてみた。
そして、いつの間にか寝落ちしていた。