それでも愛してる

妻との出会いから、今日までを自分目線で綴ったブログです。

Message

あれから俺達は普通に暮らしている。



形だけの夫婦かもしれない。


【下の子が中学に入学したら、今のパートを辞めて、フルで働ける仕事を探す】


そう彼女は言っていた。


それまでは、別れ話はしないでおこう。



俺は、我慢することには慣れている。

ガキの頃から、ずっと我慢ばかりしてきたから。。。




俺は、家族の暖かさを知らない。

両親は、俺が小学生の頃から別居状態。

やがて、親からの育児放棄に遭い親族の間を転々とした。


同じくらいの歳の子が両親と一緒に歩いているのを横目で見ながら、

「自分は他人とは違う。」

いつしか そんな意識が定着していった。



【夫婦の愛情】、【暖かい家庭】、【楽しく暮らす家族】。


そんな日常に憧れている。



【求めること】と【求められること】。


俺は、求められたいのかもしれない。

必要とされたいのかもしれない。


いくら仕事や会社で必要とされていても、それだけじゃ、俺の心は満たされない。


大切な女性に必要とされたい。

大切な家族に必要とされたい。


ただのわがまま。


そう、これは俺の自分勝手なわがままだ。



★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★


サキ。

俺な、やっぱサキの事が好きだわ。

サキは俺の事なんか好きじゃない事は充分分かった。

でもな、それでも俺はサキの事が好きでな。


サキ。

サキは世界中の誰よりも幸せにならなアカン。

今まで沢山の苦労をしてきたもんな。


俺な、サキが幸せになるなら何でもやる!

どんな苦労でもする!


でもな、俺と一緒に居たら幸せになれないと思うなら、俺は いつでもサキの傍を離れようと思うてるんや。


サキがサキで居られるなら‥‥。


俺の望みは、サキの幸せだけなんよ。


どんな事をされてもイイ。

愛情なんて無くてもイイ。

俺の事が嫌いなら それでも構わん。


(アホな奴や。そこまでされて腹がたたんのか?)

そう思う人も居るやろな。


自分でも つくづくアホやと思うで。

でもな、どうしても嫌いになれんのや。


もう一度、お前の笑顔に逢いたくてな。



俺な。

俺は、それでも お前を愛してる。


(おわり)


★★★★★★★★★★★★★★



みなさん、こんな拙いブログを読んでいただきありがとうございました。

Good-bye My Love

あの日から2日後。


彼女は昨日の答えを話始めた。


「あのね。色々考えたんだけど、あたし、昔の生活に戻るのが どうしても嫌なんだ。」


「あたしにとっては、チビ達が一番大事。」


「そのチビ達に、もうこれ以上辛い思いだけは させたくないんだ。」


「あたし、反省してる。りくには悪かったと思ってる。あたしも努力する。だから、二人で頑張ろう!」


「もう、【別れる】とか言わないで~!」



「あぁ。分かった。」


そうは言ったが、俺は この時 サキの顔を見ることが出来なかった。


薄っすらと、わずかな光が二人の間に射し込んだ。

だが、その光は、俺の中の闇を消し去れる程の光ではなかった。



(あいつが そこまで言うなら、そうしよう。)


これは俺の持論だが、人を好きになるってのは、努力して出来るようなもんじゃない。


それでも、俺は彼女と一緒に居ようと決めた。

いつまで続くのか‥‥。

それは誰にも分からない。


でも、いくら努力をしても、いつか、必ず限界が来ることだけは間違いない。


その時は、潔くサキの傍を離れよう。


そう決心した。


あれ以来、セックスはしていない。

それどころか、キスもハグもしていない。


一緒に出掛けることもない。

ひとつの布団で寝てはいるが、背中を向けて寝る日々。。




描いていた暮らしとは かけ離れている。


それでも、良いと思っている。


【セックスってのは、大好きな人とするもんや。

一番好きな人にだけ、身体を預けな。

大事な身体。粗末にしたらアカン。】


これは 今まで、ずっとサキに言ってきた言葉だ。


これが 正しいか どうかなんて分からない。

他人によっては異論や反論もあるだろう。


でも、こんな形があっても良いと思う。



【俺は、サキが幸せなら それで良い。 たとえ、サキの隣が俺じゃなくても‥‥。】

闇と光。。

あれから数日が経過した。


相変わらず彼女は浮かない顔をしている。


話しかけても上の空。

ただ、ぼんやり遠くを見つめている。


そんな状態が続いたある日。


「なぁ、友達に会いに行ってきな。」

「少しは気分転換になるやろし。。。」


「うん。いいの?」


「あぁ、良いよ。」

「そんな顔して毎日を過ごすのは、サキ自身が一番辛いやろ?」


「うん。ありがと。じゃあ行ってくるね!」


そうして、彼女は友達に会いに行った。


帰ってきて、彼女は ほんの数日間は気分も穏やかに過ごしていたと思う。


そんな穏やかな日も束の間。

すぐに辛そうな表情の彼女に戻っていった。


ある日、俺は思いきって彼女に伝えた。

「なぁ、俺ら終わりにしよっか。」

「もう、俺は要らんやろ。」

「夫婦ってのは、所詮 他人やん。その他人同士が一緒に暮らすんや。俺な、前に言うたよな。【同じ方向を向けなくなったら終いや。】って。。」

「他人だからこそ、向き合おうとせなイカンのやないか? 相手の欠点なんてのは、凄く目につくもんやん。それで、相手の良い所まで消してしまうのは、本当に向き合ってると言えるんか?」


彼女は無言のまま。


しばらくして、

「少し考えさせて‥‥。」


そう言ったきり、彼女は口を閉ざした。



俺は限界に来ていたのかもしれない。


別れを覚悟して、俺は彼女の返事を待つことにした。


闇。

この頃、お互いの心は深い闇に覆われていた。